1月27日 流し目ゆうの物語 ~ログレス最後の日「またね!」

最後の「悠久なる聖園」の動画をアップしようと思いましたが、やっぱり、この動画は最後にアップでしょうか^^

たらたらと書いています「流し目のゆうの物語」を最後まで行かなくては、ですね^^


ということで、最終日!

最後、14:30から、みんなで集まったお話は別に書いているので、サクッと行きますよ!




ログレスは、その日の15:00をもって、最後を迎える。

分かっていたことだが、集いし者たちの最後を惜しむ声が、別れを惜しむ声が、一日中、鳴り響いた。

ゆうが星の民との一夜を終え、アジトに戻ったのは朝の7時だ。

その足で城下町へ走る。

ログレスが終わってからも、また会えるよう、連絡版の組合を作るためだ。

組合の作成手続きは思いのほかに簡単だった。

確認してみると、ログレス関連の組合は少なくなく、これなら、その気になれば、今後も多くの人と連絡がとれそうだ、とホッとした。

組合を作成したことを仲間たちに伝えると、みなが登録してくれ、星の民もその中の一人だった。



ゆうが皆との別れを告げ終えたのは、14:45。

最後は、ここにやってきたばかりの頃の姿、三つ編みの女性の姿になった。

クマの姿に見慣れた人たちの中には、物珍しく見るものもいたが、これが本当といえば、本当の「流し目のゆう」の姿だ。

アジトに戻ると、荷物の整理をはじめた。

武器の整理だ。

6属性の武器が必要ということで、準備したのはいいが、これから自分は記憶を失う。

この武器はどうすればよいのだろう・・・

と、アジトに幻影の空間ができ、そこに星の民の少女が映った。

「ゆうさん、準備はいいですか?」

ゆうは、改めて、きれいになったアジトを一瞥した。

一瞬、こみあげる思い出に耐える。

「うん、いつでも。武器はどうすればいいだろ?」

「武器・・・ですか・・・。いいです、わたしがお預かりしておきます。記憶が戻り、再び会ったときにお返しします」

星の民は、そう言って数本の武器と防具を受け取ると、首からかけたポシェットをたたいた。

「うん、わかった。日記もいいかな?」

ゆうは数十冊のノートをテーブルに置いた。

「そんなにですか」星の民は目を丸くする。「もちろん、お預かりさせていただきます。ほかには、よいですか?」

「うん」

「はい」彼女がニコリと笑った。「では申請を送ります」

ゆうが申請を受け取ると、彼女とのパーティが組まれた。

「北に向かいます。ゆうさんの記憶を凍結するポラリスは北の象徴の星です」

「・・・」

「わたしに任せていただければ」少女の笑みを含んだ声だった。

しかし、先ほど、みんなとのお別れの席ではぐずぐずに泣いていた星の民だったのだが、その彼女はどこに行ったのだろう?

そんな姿は見当たらず、やたらとすっきりとしている。



星の民とパーティを組んだゆうは、すぐに彼女の場所を確認した。

開放されているログレスの区域では、もっとも北に当たるポルポルだ。

ポルポルに向かうと、クエストボードの前に星の民は待っていた。

「急ぎましょう!」

星の民はいうなり、ゆうに背を向けて、サドンイーターのいる「奥」までワープする。

ここから「探検家ジョーンズ」に話しかけ、東に行けば水路へ、南に行けば密林だ。

しかし、ログレスも終わりというのに、ジョーンズは、いつまで、ここで待ってるつもりだろう?


ジョーンズに話しかけようとしたゆう。

水路か密林、どちらに行くのだろうと、星の民に目をやると、彼女はクエスト―ボードの裏でゆうを手招いた。

「ゆうさん、こちら」

「えっ?」

「北の星が恋しくなり、わたしが開拓した道があるんです。幸い、このあたりのモンスターは弱いですので」

「いろいろしてたんだなぁ・・・」

「ふふふ・・・」


ポルポルを密林とは逆側、つまり北側にあがる。

星の民が開拓したという人が一人通る程度の獣道が伸び、そこを二人で光速で走る。

息を切らせながら、星の民が言う。

「今日は女性なのですね」

「うん、最後・・、ちょっと懐かしくなってね」

「三つ編みがお似合いです」

長く、女性として過ごしたゆうだ。

女子を褒められる気持ちもまんざらではない。


二人で、星の民が開拓したという道を走る。

時折、現れるモンスターは交代で倒した。

鬱蒼とした森に、二人が草を踏む音、その際に細木を折る音が響く。

軽く息を切らせながら、ゆうが口を開いた。

「そうだ、俺が記憶を戻したとき、誰に記憶の差し替えを行うんだろ?」

「・・・答えたほうがよろしいでしょうか? 時間がありませんが・・・」

「うん・・・まぁ、そのときでもいいけど・・・」

「アイドルです。わたしはイケメンが好きなので・・・」

「ア・・・」

「すみません、詳しい説明は、また記憶が戻られてから。急ぎましょう、送れたら大変です」

「あ・・あぁ・・・」



深い森、葉からもれる陽を頼りに走っていると、遠くに光が見えた。

「あちらです」


その草原に着いたのは、ログレスが最後を迎える三分前のことだった。

「ふぅー、間に合った・・・」少女が汗をぬぐった。

「ぎりぎ・・・」

「さあ、急ぎましょう。では、わたしの手の上に手を置いてください」

星の民は、両の手を空に向け、胸の前に置いた。

ゆうは、そこに手を重ねる。

星の民が、その指を見つめる。

「ゆうさん、指が細い」

「えっ?」

「きれいな指をされてます」

「そ・・・そうかな・・・。今は女だし」

「腕も華奢だし」星の民は、また笑う。「男に戻すがもったいないです。このまま女性でいるわけにはいかないのですか?」

「いや・・・、お・・俺・・、男は愛せないし」

星の民が吹き出した。

「そうでしたね。とても残念ですが。女性のゆうさんが大好きでした」

「女性の? 男に戻ったら?」

「記憶の差し替えの仕事をきっちりとやっていただきます」

「・・・うん。約束する。男に戻ったら・・・」

「では、行きますよ」

星の民とゆうが重ねた手から光がもれ、その光がどんどん強くなっていく。

星の民は、重ねた手から漏れる光を見つめる。

うんうん・・・と声を漏らしながら星の民は頷く。

ゆうは、黙り、手を覆う不思議な強い光を見つめていた。

「準備はできました」

星の民は顔をあげ、ゆうを見つめた。

「ログレスに思い残すことはなですか?」

「うん・・。もう全部、真っ白。体力も・・知力も・・・運だって使い果たした。友達への思いも、伝えきったし、また会える」

「何よりです。わたしも・・、皆さんのおかげで。本当に楽しかった。ありがとう、ログレスです」

ゆうは、同意とばかりにうなづいた。


北の草原に大きな透明な風が吹き抜ける。

「さようなら、細腕のゆうさん。大好きでした」

「さようなら・・・。また再会するんだろ?」

「わたしが好きだったのは、女性のゆうさんです。男性はイケメンじゃないと愛せません」

「イケメ・・・」

「もちろん、仕事はしていただきますけどね」

ゆうは言葉を失い、怒ろうとするが、その時間はない。

「あぁ、さようなら」ゆうは空を見上げた。「楽しかった。たくさん、ありがとう」

星の民もつられ、空を眺める。

青空は高く、大きな雲が静かに流れている。

二つの星が光り、走り回る。

きっと、星の民のペットの二匹が、ゆうの記憶を凍結するポラリスの位置を伝えているのだろう。

「いきます」星の民が言った。

瞬間、手を包んでいた光が一層強くなり、大きくなり、空へと駆け上がった。

それは青空を走るほうき星だった。



ログレスの終了まで、残り10秒を迎えた。

白目をむき、呆然としていたゆうが、はっと、生気を取り戻した。

星の民を見つける。

ログレスでの記憶がなくなったゆうだ。

「はじめまして・・・。ここは・・・?」

「はじめまして。ここはログレス。ゆうさんは・・・これまで、ここで、いっぱいの仲間を作って、いっぱいのモンスターを倒して・・・、それ以上にいっぱいに笑って・・・」星の民に多くの思い出がよみがえり、言葉に詰まる。「わたしも・・弱っちいわたしもお仲間に入れていただいて・・・。いっぱい・・ありがとうございました。さようなら・・・・。さようなら、ログレスのみんな。また、必ず。皆さんのことが・・・ログレスのことが・・・大好きでした・・・」

意味が通らないゆうは首を小さく傾げた。

ログレスの世界を白い渦が包みこみ、次の瞬間、ログレスは最後を迎えた。




くまっ!

物語は、さらに続くのです!

大して期待せずに、待つっクマ!


1.jpg

この記事へのコメント